「Amazon Go」の実現は場面緘黙の人にとってプラスになるだろうか

現在、シアトルにてAmazon社員限定で「Amazon Go」のテスト営業をしているそうです。「Pokemon Go」じゃないですよ。「Amazon Go」です。似ていますが。

Amazon Goとは

米版Amazonのホームページ(https://www.amazon.com/b?node=16008589011)で概要が示されています。英語で書かれているため分かりにくいかもしれませんが、同ページ内で動画が紹介されており、その埋め込みが許可されていたため、紹介したいと思います。

紹介動画も英語ですが、映像で見ると大体理解できるのはないでしょうか。

すごく簡単に言うと、Amazon Goはレジを介さずして買い物ができる店舗型サービスです。仮に実現すれば、Amazonアカウントや対応スマートフォン、そしてAmazon Goアプリがあれば誰でも利用可能だそうです。

Amazonのホームページによると、自動運転車にも利用されているようなセンサーフュージョンやコンピュータービジョン、ディープラーニングなどのシステムを駆使しているとのこと。

棚にある商品を取ったり戻したりする行動を認識し、(通販サイトでよくみられる)仮想カート内に商品を入れ、店を出ると自動的にAmazonアカウントへ請求が行くという仕組み。

今の技術ってすごいんですね……。上で書いたように今は米Amazon社員限定でテスト中ですが、2017年には一般公開される予定です。Amazon Goが実現するか、また日本に上陸するようなことがあるのかは今のところ分かりません。

ただ、もし日本にもやってくるようなことがあり、さらにそれが広く普及するようなことになれば、生活がガラッと変わりそうですよね。

プラス面

もちろん、考えられる問題点はいろいろとありますが、そこは当記事では置いておき、タイトルにもあるように場面緘黙という観点から個人的な経験をもとにAmazon Goを少し考えてみたいと思います。

もしかしたらAmazon Goを検索して当記事に辿り着いた方もいるかもしれないので、はじめに場面緘黙について簡単に紹介しますね。

言葉を話したり理解する能力はほぼ正常であるにもかかわらず、幼稚園・保育園や学校などの社会的な状況で声を出したり話したりすることができない状態を言います。体が思うように動かせない緘動(かんどう)という状態になることもあります。

かんもくネット~場面緘黙とは~

さて、Amazon Goは先述の通り、レジに並んで会計する必要がないシステム、つまり店員さんとのコミュニケーションが全く不要となるシステムです。

同じ緘黙でも症状の出方・強さには個人差があるのは前提として、買い物が苦手、あるいは不可能だという方が多いのではないかと思います。僕は今でこそレジでの会話程度なら問題なくできますが、以前は苦手としていました。コンビニで箸の数を聞かれて答えられても、肉まんくださいと言うことは不可能でした。

このようにレジでのやり取りが苦手、さらには困難に感じたり苦痛に感じたりする人にとっては、Amazon Goが実現したら非常に喜ばしいことなのではないでしょうか。買い物をすることのプレッシャーから逃れられ、店員さんから何か聞かれて声を出せなくなった時の不安感・焦燥感・劣等感・絶望感から解放されますからね。

この点では、Amazon Goの実現は場面緘黙の人にとってプラスのように思えます。

マイナス面

しかし、個人的には、仮に全てのコンビニ・スーパーで導入されるならば、という条件付きですが、手放しで喜ぶこともできないよなと思ってしまいます。

どういうことかと言うと、身近な訓練の場がなくなってしまうのではないかと思うのです。(もちろん、緘黙の支援体制が今よりずっと整うのであれば話は別ですが。)

これは僕自身の経験ですが、コンビニやスーパーのレジが、ある意味緘黙の症状を軽減させていく訓練の場のひとつになっていたのです。訓練の場だと分かりにくいですね。小さな自信を少しずつ積み重ねる場、と言えば良いでしょうか。

例えば、コンビニで紙パック飲料を買ったとします。すると大抵の場合「ストローをお付けしますか?」なんて聞かれるわけです。それに対して僕は「お願いします」と答えます。

「普通」の人ならなんてことないやり取りですが、場面緘黙だった僕は「ちゃんと言えた!」と自信になったのです。学校でダメダメだった日でも帰りのコンビニで店員さんの問いかけに答えられると「明日こそ……!」となんとか前向きになれたものです。コンビニでもダメで落ち込むことも多々ありましたが。

僕は専門家ではないので詳しいことは分かりませんが、この「小さな自信の積み重ね」っていうのは緘黙の改善に一役買ってそうな気がしています。

もちろん、自信を積み重ねる場は学校でもいいですし、コンビニ・スーパー以外の施設などなんでもいいわけです。ただ、非常に身近で入りやすく高頻度で通えそうな場であるコンビニ・スーパー等でレジ不要が徹底されると仮定するならば、使い勝手の良い訓練の場がひとつなくなってしまうということで、マイナスな面もあるのではないかなと思いました。

ここまで書いてきたように、Amazon Goはまだアメリカにおける実験段階ですが、話題になっていたので僕自身の経験をもとにちょっと考えてみました。

今後の動向に注目していきたいですね。

「Amazon Go」の実現は場面緘黙の人にとってプラスになるだろうか

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エヌジマ

俗に言うアラサーの男です。過去には学校などの特定の場面で話せなくなる場面緘黙(かんもく)を経験。自分の日常や「紹介したい!」と思ったモノ・コトを中心にいろいろ書いています。詳細は当ブログについてをご覧ください。

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