話したいのに話せない。場面緘黙(ばめんかんもく)を知っていますか?

場面緘黙(ばめんかんもく)。多くの人にとっては馴染みのない言葉でしょう。そんな場面緘黙に僕は長年悩まされていました。いや、今なおその「後遺症」に悩まされています。

これまでブログに全く書いたことがなかったのですが、よりたくさんの人にその存在を知ってもらいたい、また当事者の方の何らかの参考になればと思い、元・場面緘黙の人間としてその経験を書いていくことを決めました。

今回は、場面緘黙を知らない人のために基本的な情報を簡単にまとめてみました。

場面緘黙とは

概要

場面緘黙の症状を分かりやすく表すと、「学校などの特定の場面で話したくても話せなくなる」というものが主です。

これだけだとあまりにざっくりすぎるので、ウィキペディアから概要を引用しますね。

場面緘黙は、ある特定の場面でだけ全く話せなくなってしまう現象である。子供が自宅では家族らと問題なく会話をしていても、学校や幼稚園など家の外では全く、あるいはそれほど話さず、誰とも話さないという例は多い。そして、その子供は非常に内気な様子に見え、グループでの活動に入りたがらなかったりする。 たいていの場合、発話以外の、表情や動作やその他のやり方であれば、人とコミュニケーションを取ることができる。脳機能そのものに問題があるわけではなく、行動面や学習面などでも問題を持たない。
単なる人見知りや恥ずかしがり屋との大きな違いは、症状が大変強く、何年たっても自然には症状が改善せずに長く続く場合があるという点である。

フリー百科事典ウィキペディア日本版「場面緘黙症」より , 2015年3月19日

ちょっとこの概要に対して補足を。

ここには書いていませんが、話しづらさの程度は相手や場所によって変化することがあります。同級生と学校の外で会う時は問題なく話せるのに、学校の中だと喋ることが出来なくなるという人もいます。家から出ると普段話せていた家族とも話せなくなるという人もいます。

また、学校において話すことは出来なくても、決められた言葉、例えば教科書読みなんかは問題なく出来る場合があります。もちろん、そういったことも全く出来ない人もいます。場面緘黙の当事者の中でも症状の程度に差があるのです。

症状の程度といえば、いかなる場面でも話すことが出来ない「全緘黙」に悩む人もいます。また、声を出せない話せないという面が注目されがちですが、体が固まって思うように動かない「緘動(かんどう)」という症状があらわれる場合もあります。

これはよくある誤解だと思うのですが、場面緘黙は単なる人見知りや恥ずかしがり屋ではありません。症状が強く、長期にわたって(非一過性)生活に支障をきたすのが場面緘黙です。

そして、場面緘黙は脳機能に問題があって話せないというわけではないため、脳出血や脳梗塞等の脳血管障害による「失語症」とは異なります。また、「心因性失声症(ヒステリー性失声症)」とも区別されます。

原因

はっきり「これだ!」という原因は解明されていないようです。本人の気質や家族の気質、環境など様々な要因が考えられています。

発症年齢と発症率

幼児期に発症することが多く、保育園や幼稚園、小学校への入学を機に周りが気付いて発覚する場合が多いようです(家の中では話せているため家族は気付きにくい傾向にある)。

また、発症率に関しては、日本の場合は1%以下という報告が多いようです。(参考:場面緘黙症Journal「出現率は?」)

名称について

この場面緘黙は、選択性緘黙という名称で呼ばれることもあります。が、「選択性」という語には「自ら話さないことを選択している」というニュアンスで受け取ることも出来るため、個人的には引っかかりがあって使いたくありません。

ただこれは僕個人の感覚であり、一般には「場面緘黙」も「選択性緘黙」も同じものを指しています。

おわりに

今回は初回だったので、場面緘黙の基本的な情報を紹介してきました。次回からは「~幼稚園卒園・~小学校卒業・~中学校卒業・~高校卒業・~現在」と分けてざっくりと自分の経験を書いていく予定です。

僕自身は専門家ではないため一般的な場面緘黙症の診断基準や教育的な配慮といった点には触れませんでしたが、もし興味を持ってもらえたのならばぜひ調べていただきたいです。この記事の最後に参考になりそうなサイトへのリンクを張っておきますね。

近年はメディアで取り上げられることも増えている印象ですが、まだまだ場面緘黙の知名度は低いように感じます。今後はその存在が多くの人に知られ、緘黙に悩む人への理解が進むことを願っています。

<参考になりそうなサイト>
・場面緘黙症Journal(http://smjournal.com/
・かんもくネット(http://kanmoku.org/
・かんもくの会(http://asmjapan.org/index.php

この記事を書いた人

エヌジマ

エヌジマ

三十路の唐変木。学校など特定の社会的状況で話せなくなる場面緘黙(ばめんかんもく)を過去に経験。現在も雑談は大の苦手で、時に緘黙の症状が出ることも。このブログでは自分の日常や「紹介したい!」と思ったものを中心にいろいろ書いています。詳しくは当ブログについてをご覧ください。また、お問い合わせはこちらのフォームからどうぞ。